2011/07/14

移民になるということは、どういうことか

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実際に移住した人の生の声とかないのかなー?と思って探したら、意外とカンタンに出てきましたよ。それも動画で。
数ある国からの移住者インタビュー動画の中で、いちばん感銘を受けて納得できたのがこのネパールからの移民、シュレスタさん。発言がいちいちごもっともだ。

Bipin Shrestha | Finfo (インタビュー動画&文字起こし英文)
http://www.finfonet.fi/personal-experiences/nepalese/bipin-shrestha

かなり丁寧に回答してくれていて、簡単にまとめるとこうなる。

・時としてマイナス30度にもなる寒さはやっぱりアジアからの移民としてツライ
・フィンランド語は非常に難しい
・言語を理解できないと、文化を理解できない。文化を理解できないと、人々を理解できない
・フィンランド人はそっけなく見えるが、接するうちにそれが彼らの接し方なんだと気付いた。
・気がつくのに時間はかかったが、フィンランド人の中身はとてもあたたかい。
・核家族が高齢者の世話をするネパールと違い、政府がケアするシステムが素晴らしい
・しかし祖父、父、息子といった一族で暮らす習慣がなくフィンランド人は少し個人主義
・「家族の在り方」がネパール人にとって馴染みにくい部分かも
・フィンランドの「どこ」に行くかが問題。北部(ラップランド)と南部(ヘルシンキ等)は就ける仕事が違う

そして、いちばん「そんな経験もしたの!?」とビックリしたのが以下だ。(意訳)

「おおかたのフィンランド人は流暢な英語を話すが、政府機関を訪問し、移住の手続きを進めようとすると『私は英語が話せない』と(事務員が)英語で言う。これは暗に、移民を積極的に手助けしたくないのだと思った。だがもし、バーで同じフィンランド人に出会っていたとしたら、彼は英語で受け答えをしてくれるのでしょう。これが移民にとって辛い部分です。それさえなければ、良かったのですが。」

なるほど、こういうの確かにありそう。差別ではないんだろうけど。一部のフィンランド人にとっては、移民は(国内の)仕事を奪っていく脅威の存在なのかもしれないし、大事にしているフィンランド文化が、もしかしたら移民によって侵食されてしまうかもしれない。そして現地の人に危機感を持たれると、フランスのブルカ禁止令みたいなのが発令されてしまう。

移民って、その国に溶けこんで一員になるべきなんだろうけど、反面、フィンランド人には無い能力や価値発揮をしないと、フィンランドで仕事はめぐってこない。(フィンランド人と全く同じことしかできないなら、フィンランド人を雇うほうが雇用主も安心だろう)
何を強みとして勝負するか(どんな仕事で食っていくか)、その強みはフィンランドで重宝されるものか。日本人であることが特徴や強みになるのか。やりたい事と、求められることのバランスをどう取って日銭に変えるのか。こうやって考え出すと、夜が明けそうだw 何で勝負するか、それはまた別の機会にまとめることにしよう。

このシュレスタさんはレストランを経営しているということだが、母国の特色を出しつつ、ビジネスやしきたり線引きはフィンランドに従い、バランスを取ってるんだろうな。ぜひ会って、知らない国で暮らしていく心意気を伝授してもらいたい、って感じ。


そしてシュレスタさんは、いい一言でインタビューを締めくくってくれる。

「人生はどこでも同じであり、ここフィンランドにも(移住前の母国にも)それなりの問題とメリットがある。」


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