写真/ユヴァスキュラ大学内の校舎のひとつ。こういうレンガ造りの建物が森の中に点在している
アルヴァ・アアルトが仕事場とした街
Jyväskyläの読み方は「ユヴァスキュラ」。
フィンランドの中南部にある都市で、ヘルシンキからは電車で3時間ぐらい。
建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトが最初の仕事場とした街だそう。ちなみに上の写真(ユヴァスキュラ大学のメインキャンパス)も彼の設計。さらに、街の郊外にはAlvar Aalto Museumがあったり、彼が手がけた建築が徒歩圏内でたくさん見ることができる街になってました。
同僚のフィンランド人がオススメしてくれた大学なんだけど…
彼は理数系ですからねぇ。僕は数学の通信簿で2以上の評価をもらったことがない。「いい学校だから、見に行ったほうがいいよ!」と言われるものの、その同僚は理数系、ユヴァスキュラ大学・統計学科卒、現職はファイナンス担当。だいぶ僕とは違うような…と思いつつ、「ILOKIVIって学食がおいしいからぜひ行ってみて!」とオススメしてくれたので、半分観光でいいか、ということで行ってみることにしました。
森の中に学校がある感じ。冬寒そう(笑)
見渡すかぎり森と湖。フィンランドは国土の7割が森で、湖は大小あわせると18万個以上あるそう。しかも年々湖の数が増えてるそうw 増えるってどういうことよ?と言いたくなりますが、1つの湖が別れて2つになったりするのかな。
僕たち夫婦が行ってきたのは5月。15度ぐらいで過ごしやすい気温でした。しかし冬はなかなかハードそうな感じです。生えてる木は白樺ばっかりですよ、白樺!まぁ、基本フィンランドはどこ行っても白樺ばっかりではあるのですが。これは僕以上に、寒さに弱いヨメがつらそうだ。
写真/大学敷地内。棟の間を移動中。自然が多くて気持ち良いとも言える
写真/学校の周辺。人通りが少なく、ほとんど人とすれ違わない。大きなビルがなく緑の風景が続く
写真/と思えばバスターミナルっぽい建物も。何となくロシアっぽい、社会主義めいた雰囲気
写真/大学周辺の住宅街。散歩中の子どもの服がかわいい。帽子が猫耳っぽいデザインにさりげなくなってた
写真/学校から約500m、ユヴァスキュラ駅から300mぐらいのところ。この辺はマンションらしき建物が多い様子
大学が近い場所は、日本で例えて言うと、大阪の千里中央っぽい街の雰囲気だった。緑が多くて、郊外の建物と建物の密集度は低い感じ。車での移動が基本の街。関東は詳しくないので、例えられません(すんません)。
Bachelor(学士)はフィンランド語のみ、Master(修士)は英語授業もあり
学校について調べてみた結果。あぁ、やっぱり。という感じでしたが。ちなみに現地に行ってからWEBで調べて知りました。来る前にちゃんと調べとくんだった…。まぁ、こういうことも知れたのが、それはそれで収穫。以下、WEBサイトにあったその記載。
All Bachelor's programmes at the University of Jyväskylä are offered in Finnish language only. Applicants to Bachelor's programmes should have a good command of Finnish.
(すべての学士プログラムはフィンランド語で行われ、学士申込者はフィンランド語が十分堪能であることが求められる)
https://www.jyu.fi/en/study/programmes/bachelor
校内はとことんフィンランド語
それのせいか、大学内の表示もフィンランド語がめっぽう多い。いたる所に、こんな表示ばっかり!
写真/訳すと「大学ランゲージセンター」となる。辞書でひとつづつ調べないとさっぱり
他の大学は英語を併記する所が多かったのに、ユヴァスキュラ大学ではフィンランド語表記が多いようです。こういうところでは、しょっぱなからかなり苦労するな。
日本人にとってフィンランド語のツラいところ
それは「慣れ親しんだ英語っぽい響きや文字配列がどこにも無いこと」。フランス語やイタリア語であれば、もともとラテン語をベースに発展していった言語なので、語幹が同じで語尾だけが違ったりと、単語の意味と読み方をある程度推測できるのですが、フィンランド語はアングロサクソンでもゲルマンでもない「ウラル語族」ってのに属するようで、これが後々大きな壁になってきそうなのが感じられます。
ちなみに日本語はアルタイ語族。(ひと昔前は、「ウラル=アルタイ語族」ってひとくくりにされてましたが、現在ではその語族縛りは見直されて、分けられています)
修士は理数系コースが多く、強みであるらしい
さて、話を学校のことに戻しましょう。修士(Master)は英語で行われる授業が多いみたいだけど、どうも数学・科学寄りのコースが多い印象。
https://www.jyu.fi/en/study/study_frontpage/programmes/masters
僕はJournalismかCommunication系のコース内容にしたいなと思案中。でも、理数系が幅を効かせている学校において、どこまでの内容なのか。地方都市で人口規模もかなり小さそうだけど、マスコミ系の市場規模はどれぐらいなのか。また、フィンランドで圧倒的に語学力がビハインドしている自分が、コミュニケーションを学んでフィンランド人と渡り合えるのか…。こんなことが止めどなく頭をよぎります。
英語を勉強する時によく言われることとして、「英語+何らかの専門スキル(もしくは経験)」がないと海外では存在価値がない→食べていけない。僕の場合、JournalismかCommunication系を勉学としてきちんと修めたとしても、それだけでは同学科を出たフィンランド人と同じです。むしろ、フィンランド語の流暢さでは太刀打ちできないから横並びとは言えない。
「+日本での経験」を生かして勝負できる道を探さねば。という感じで最近は考えてます。例えば、日本との交易が深い都市を選んで、その都市のCommunication系学科で学んで自分の強みを磨く。もしくはAsian Studyの学科がある大学(Asia、もっと言えば日本に関する何らかのニーズがある大学)を選び、Communication系の学科で学ぶとか。
まとめ。理数系の環境に身を置くのはやめとこう!→他大学を検討
自分の欲するものがあるのか、無いのか。それを確かめることができたので、ユヴァスキュラ大学見学はムダではなかったと思います。同時に街の雰囲気も知ることができたし。気持ちのいい風景をたくさん感じられたのが収穫!ということにしておきましょう。
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University of Jyväskylä
https://www.jyu.fi/en/
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おまけのコーナー
その①。同僚が教えてくれた「ILOKIVI」という学食の件。複数の学食があるらしく、校内掲示板に学食MAPがあったのだが、肝心のILOKIVIが載ってない…。
結局、歩きまわってるうちに偶然に見つけることができた。おそらく、学食は学校が運営するものと、「sonaatti」っていう委託業者が運営するものと2系統あった様子。上記MAPはsonaattiのもの。だからMAPに載ってなかったのかー。
味はいまいっちょ。後で解ったんだけど、これ(僕のメイン)にケチャップをかけて食べるものだったらしい。かけてなかった…。日本に帰ってからフィンランド人同僚に「イマイチおいしくなかった」と言うと、「その食べ方は、お好み焼きに何もソースをかけずに食うようなもの」とツッコまれてしまいました。なるほど。ホントの味がわからず損した…。
その②。学校見学のついでに、近くにあったAlvar Aalto Museumに行って来ました。普通の人はこっちがメインだよね。「ついで」気分なので、写真すら取りませんでした!御免!では文章で紹介だけでも。
museum内はアアルトの建築のミニチュアや造形作品の実物が展示されています。それぞれの作品には英語・フィンランド語・スウェーデン語の解説資料(プリント)が置いてあり、資料は自由に持ち帰ることができます。人間を中心にした環境デザインというものが少しわかった気がして、勉強になりました。また、museumに併設のShopでは、彼の商業作品が販売されています。
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Alvar Aalto Museum
Alvar Aallon katu 7, Jyväskylä
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以上っすー。